@article{oai:kuins.repo.nii.ac.jp:00000650, author = {井上, 尚之}, issue = {19}, journal = {神戸山手大学紀要}, month = {Dec}, note = {日本における企業経営を歴史的に辿ると「環境経営」⇒「CSR 経営」⇒「サステナビリティ経営」という系譜になる。CSR(Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任)に関しては、日本、アメリカ、EU で起源が異なる。日本では1996年の国際環境マネジメント規格 ISO14001 発行と共に「環境経営」という言葉が流行した。つまり1960年代の経済成長に伴って起きた水俣病に代表されるような環境問題の解決と予防に最重点を置く経営が日本では行われてきた。この環境重視の経営にマッチしたマネジメントシステムが ISO14001 であった。そして日本は ISO14001 発行のわずか2年後の1998年に世界一の ISO14001 認証取得国になり、この ISO14001 をベースに本業に即した環境保全を目指す経営が「環境経営」ともてはやされたのであった。日本では CSR の前にまず環境が存在したのであった。これに対してアメリカではカーネギーやロックフェラーの例を挙げるまでもなく、成功企業のフィランソロピー(慈善活動)が CSR の起源である。一方 EU は、日・米とは異なり1993年のマーストリヒト条約発効による EU 誕生から現在に至るまで、移民問題とそれに起源を有する失業問題、特に若年失業率の高さに苦しんだ。国家を超えた地域統合体である EU には、雇用を中心とする社会問題の解決を国家ではなく企業に求めようという意識が強い。換言すれば、CSR の起源は日本では環境問題解決、アメリカではフィランソロピーさらに言えば収入の格差是正、EU では失業問題解決にあったといっても過言ではない。つまり、この日本・アメリカ・EU の CSR 起源を統合して、環境問題解決に加えて格差是正や失業率減少などを実行して社会問題を解決していこうとする経営が「CSR 経営」である。そしてこの CSR 経営に「持続可能な開発(Sustainable Development)」を加えた経営が「サステナビリティ経営」といえよう。  本論文はこれらを含めて、「サステナビリティ経営」に至る道を闡明したものである。}, pages = {11--47}, title = {環境経営からサステナビリティ経営への変遷の系譜}, year = {2017} }